
きみは僕に愛を突き刺す 上
新大統領ジョーゼフ・キャシディ一家の護衛となったデニス。うかない表情の原因は、キャシディ…
陰間茶屋のお話です。遊郭系BLというのでしょうか。繊細で美しいお話です。
虐められていた、美しい少年を愁介が助け出すところから物語は始まります。そこから、なんと42ページで椿と名付けられた少年が茶屋にて「紅蝶」と呼ばれるトップに上り詰め、身請けされるまでが描かれており、ストーリーはかなり淡々とさくさくと進んでいきます。さらっと読んでしまうとそれまでのお話なのですが、椿の心情を見ていくと繊細で美しいお話なのだというのが分かります。
椿はきままに旅に出たり、変な置物をお土産に買ってくる(笑)愁介のことを、「へんな人」と称します。なにがと問う愁介に、「だって(いろいろと)自由だもの」というのです。私たちにとって自由というのは当たり前のことであり、決して変なことではありません。しかし、椿は陰間茶屋に引き取られ、働くことで生きている身。彼が陰間茶屋で働く前にどのような境遇に置かれており、虐められていた時になぜそのまま愁介について行ったのかは描かれていないので椿のバックグラウンドは不明ではありますが、そのまま引き取られ身を置き、客を取る商売をしていることから、決していい境遇に置かれてはいなかったのでしょう。1日1日を生きるのも大変だったのではないでしょうか? そんな椿にとって、自由とは日常にないもので、自由に生きる愁介のことが「変」なものに見えたのかなあと思いました。
「捨て猫かまうみたいな感じで同情されてるんだろ」と愁介を慕う人たちからやっかまれた時に、椿は「べつに猫でもいいよ」といいます。いっそ猫になりたい、とモノローグでも語るのですが、これは「愁介が可愛がっている猫になりたい」という気持ちと、「自由になりたい」という気持ちの現れなのではないでしょうか。
猫はしばしば自由の象徴として描かれますし。
後に、椿は藤代(この手のBLには珍しく? かなりいい人です!)という男にに入られ、身請けされることになります。その前に一度だけ愁介と椿は関係を持ちますが、椿は名付けられたときのように、愁介と繋がり名を呼ばれることで、「はじめて生まれたような気がした」と思うのです。愁介と会っているときこそ、椿は自由で、「椿」という紅蝶でなく、椿という個人で居られるのだろうなと感じました。
2018年10月12日 5:37 pm
2018年10月11日 3:58 pm
2018年9月27日 3:47 pm
2018年8月31日 5:01 pm
2018年8月6日 12:37 pm
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