
男娼の恋
“男娼は客に本気で恋してはならない。”―当然の不文律に抗うかのように街角に立つ梛(ナギ)。仲…
『セックスドランカー』の3巻目。
『セックスドランカー』は棚田くんの果てのないセックスへの依存と、それに起因する濡れ場のエロさ、かと思えばそれに相反するようなギャグ色という、エロとギャグのミックス具合が魅力の一つなのですが、3巻はちょっとシリアス度の高い展開でした。
棚田くんの勤務する会社の社長で、しかも彼の父親でもある田中とともに、健康器具メーカー・タナカのこれからの存亡をかけての取引を行うために取引場所へと向かうシーンから始まります。
そこで田中が、棚田くん、そして彼の客でもあり同士でもある、日本屈指の企業のトップである4人の男たちによって、棚田くんの過去の話を聞かされる。
この、棚田くんの過去の話が、めっちゃ痛いです…。
大学の授業料や生活費を賄うためにAV男優として働いていたこと。
AV男優を引退後、彼が生活の糧を得るためにとある「ショー」に出演していたこと。
そのショーで、その後、棚田くんの強力な後見人として彼を支えてくれるようになる、別所、今楢、福沢、南という、4人の起業家たちと出会ったこと。
棚田くんが出ていた「ショー」が、めっちゃ痛いです…。
SMプレイをモチーフにはしていますが、SMというよりももはや棚田くんをいたぶることを目的とした衆目の前での「見世物」になっています。
SMは、愛があって、だからこそMが耐えられるギリギリの線をSが見切ったうえでの行為だと思っていますが、このショーはそうではない。複数の客の手によって、体中に入れられたピアスの穴を拡張されたり、ムチでたたかれたり、と流血もありのかなりグロい描写が連続して出てきますので、苦手な方は注意が必要かもです。
けれど、このショーには裏があって、さすが棚田くんというべきしたたかさが隠されている。
のだけれど、棚田くんの壊れっぷりが切なかった…。
棚田くんという青年は「生」に対する執着心がない。
自分の身体は、お金を稼いだり何かの切り札として使う「モノ」としてしか思っていない。
それでいて、セックス依存症でもある。
それがなぜなのか。
それが分かる巻でした。
棚田くんをサポートしてくれるようになる4人の男たちが、彼を身体的にも精神的にも救った過去がある。だからこそ、棚田くんも、彼らを心から慕い、彼らのために尽くしている、という関係が出来上がっている。
棚田くんは4人の男たちに自分の「からだ」と分け与えることを良しとしているけれど、彼ら4人とは線を引いた立ち位置にいるのが穂高。
自分はセックスをするだけの相手なのか、と穂高さんが悩むシーンはそこかしこに出てきますが、棚田くんは棚田くんなりに穂高を愛している。というのもうっすら見えている。
お互い、相手を想うあまりに自分の気持ちをさらけ出さない穂高×棚田くんの二人ですが、この後どういう展開になるのか非常に楽しみです。
2018年10月12日 5:37 pm
2018年10月11日 3:58 pm
2018年9月27日 3:47 pm
2018年9月26日 6:30 pm
2018年8月31日 5:01 pm
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